名古屋弁だげゃ!
名古屋弁の種類
失われた伝説の「名古屋上町言葉」
方言研究者のために、私について
特徴のあるアクセント

名古屋弁の種類

一口に名古屋弁と言っても、色々な種類があるのです。大きく分ければ、名古屋城の辺りや長者町という問屋街を中心に話されていた「上町(うわまち)言葉」と、それ以外の「下町言葉」です。名古屋弁の特徴は、これまた色々ありますが、一番特徴的なのは、何と言っても語尾でしょう。語尾によって名古屋弁の大まかな分類をすることができます。上町言葉の特徴は「〜なも」という当たりの柔らかい語尾です。これに対して、下町言葉の特徴は「〜がや」という当たりのきつい語尾です。このページの見出しの「名古屋弁だげゃ!」も「〜がや」の約音形です。ほかにも武家言葉といって「〜のん」とかあったようですが、これは随分昔に廃れたようです。また最近、下町言葉の発展形で若者言葉があります。これの語尾は「〜がー」です。これらを例をもって比較してみましょう。

共通語 「そんなことしてしまったらダメですよ。」
上町言葉「ほんなことやってまやぁてかんわなも。」
下町言葉「ほんなことやってまってかんげゃー」
若者言葉「んーなことやってまって、いかんがー」
武家言葉は、あまり存じ上げません。「いかんのん」になりそうです。

失われた伝説の「名古屋上町言葉」

私の子供の時には、上町言葉を本当に美しく話すおばあさんたちを時々お見かけしましたが、もう今では、話者はゼロではないかと思います。実は日本三大美方言のひとつが「名古屋上町言葉」でした。あとの二つは、京都の「京言葉」と大阪の「船場言葉」ですが、名古屋上町言葉が、そんなに美しい言葉だということは、あまり知られていません。なぜ、絶滅してしまったのかは謎ですが、非常に残念なことです。

方言研究者のために、私について

私は、大須という名古屋のど真ん中の出身で、そこは下町言葉でした。もしかすると戦前は上町言葉だったかも知れませんが、私は下町言葉を話します。よって、あまり美しい言葉ではないかもしれません。けれども、なるべく美しい下町言葉を話すように心がけて生きてきました。母は千種区という東方の出身、父は熱田区という南方の出身者です。なお、祖母は飛騨古川出身です。

特徴のあるアクセント

名古屋弁に関するサイトや図書はたくさんあります。一時、名古屋文化ブームが名古屋人だけの間で密かに(む、むなしい……)流行ったためです。たしか1996年だったと記憶しています。しかし、面白おかしく「内輪ウケ」を趣旨としたものが殆どで、方言研究の参考になるような記事は少なかったように思います。そんな中で、私はかねてから、文法やアクセントの説明をしようと思っていたのです。文法は、どんどん付け足していくつもりです。まず、アクセントから述べさせていただきます。基本的には、関東式アクセントですが、単語によって若干違うものがあります。たとえば、靴、熊などは第一音節にアクセントが来ます。「陽が昇る」は陽にアクセントが来ます。油などは、ブだけにアクセントをつけることも、ラだけにアクセントをつけることもあります。

しかし、何と言っても名古屋の高低アクセントの特徴は、標準語で第二音節からアクセントがつく単語は、第三音節からアクセントをつけるということです。例えば、「踏み台」ならば、標準語では「ミダイ」にアクセントが来ますが、名古屋弁では「フミ」は低く発音し、「ダイ」を高く発音するのです(正確には「デャー」)。東京女子大学の図書館アルバイトをしていたときに、方言研究の図書を読みあさりましたが、なぜかどの図書にも、このアクセントの事が述べられていませんでした。それだけでなく、アクセント記号が東京式で書かれていたのです。私はショックでした。もしも、あなたが名古屋人でないとして、名古屋弁風に話したいと思うならば、一度このアクセント規則に従って発音されるとよいと思います。名古屋弁ぽくなること、ウケアイです。以下の単語は、すべて第三音節だけを高く発音します。その際に、第一と第三音節を強く発音するとなお、それらしくなります。以下の単語のカタカナの部分を高く強く発音してみてください。かなり名古屋弁の特徴が出ていると思います。 赤トんぼ 干しブどう 名古ヤじん くりスます 味ノ素 蟹ピらふ えびフらい(えびフれゃー) 

昔、南利明さんというタレントが、名古屋の会社 オリエンタルカレーのスナックカレーの宣伝に、出ていましたが、その発音は非常に名古屋弁らしく発音されています。これをお聞きください。なお、株式会社オリエンタルからの掲載の許可を得ています。


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